2014年9月29日月曜日

僕らがスマホにうつつを抜かしていた6年間で、ガラケーはどれくらい進化したのか

●ガラケーだって進化しているはず
スマートフォンという名称が一般的になり、世の中に普及してから6~7年ほどになるだろうか。その間にスマートフォンは凄まじい進化を遂げ、それまでの様々なデバイスを一台で置き換えるまでになった。
しかし、である。何か忘れていやしないだろうか。

そう、スマートフォンが登場するまで、日本の覇権を握っていたフィーチャーフォン、いわゆるガラケーである。

別にガラケーは滅んだわけではなく、今でもスマートフォンと同程度のユーザーがいるし、新製品も発売され続けている。ただ単にメディアなどで話題にならなくなっただけなのだ。しかし、目に入らなくなるというのは恐ろしいもので、筆者もスマートフォンに替えてからは、すっかりガラケーの進化に疎くなってしまった。

とはいえ、ガラケーだって6年あれば着実に進化しているはず。そこで今回は、最新のガラケー「F-07F」と、筆者がスマートフォンに機種変更した2008年当時のガラケー「F706i」を比較し、スマートフォンの裏でガラケーがどれほどの進化を遂げたのかを見ていきたい。

●スペックを比較する
まずは「F-07F」と「F706i」をスペックから比較してみよう。なお、どちらの機種も製造は富士通である。

こうしてみると、スマートフォンほどでないにしても、ガラケーも6年間で着実にスペックアップしていることがわかる。連続待受時間こそ変わらないが、そもそもガラケーはバッテリーのもちがいいので、620時間もあれば十分だろう。

●端末は薄くディスプレイは大型化
特徴的なのは、縦横の長さがほとんど変わっていないにも関わらず、厚みが約4mm薄くなり、重量が約25g軽くなっていること。デザインとしては似た形でも、細かい部分でブラッシュアップされていることがわかる。特に重量の違いは大きい。137gだと一般的なスマートフォンとそう変わらないが、112gだと持った感じも明らかに軽いのだ。スマートフォンとの差別化という点では重要な要素だろう。

また、技術の進歩で挟ベゼル化が実現したこともあってか、画面は2.7インチから3.3インチに大幅アップ。初代iPhoneが3.5インチだから、実はガラケーもけっこう画面が大きくなっているのだ。

そりゃあ最新のスマートフォンと比較すればまだまだ小さいが、当時は初代iPhoneの画面サイズでも「大きい」と思っていたのだから、ガラケーとしてはもう十分なところまで到達したと言えるのではないか。
●インタフェースは変わらない
ガラケーといえば物理キー、つまりボタンである。両機種を比較すると、6年の時を経たとは思えないほどよく似通っていることがわかる。6年前にすでに完成されていたと見るか、ガラケーユーザーが変化を好まないと見るか。いずれにしても、インターフェースが一貫しているのは既存ユーザー的には評価できるポイントだろう。これなら、仮に久しぶりにガラケーに機種変更しても問題なく操作できそうだ。実際、今回も特に説明書など見ることなくすぐに使うことができた。

さて、それでは実際に操作してみよう。両機種の画面を点灯させると……すぐにわかったのが、画面解像度の違いだ。さすがに240×432ドットは粗い。一瞬、「えっ、こんなに画質悪かったっけ?」と思ってしまったくらいである。

それに比べると、最新のF-07F(2014年)はさすがに精細感があり、画面も美しい。もちろん、最近のスマートフォンに比べると解像度はまだ低めなのだが、これくらいのレベルから上になるとそれほど違いは感じない。そもそもiPhoneだって3GSまでは320×480だったわけだし。
●中身は変わっていた……
メニューボタンを押すと、画面内にメニューの一覧が出てくる。「しゃべってコンシェル」が追加されていたり、アイコンの並びに微妙な違いがあったりはするものの、全体的にはよく似ている。インターフェースやスペックは上がっても、中身は6年前と同じなのだろうか。

と思いきや、ボタンの下キーを押したときの仕様が変わっていた。F706i(2008年)だと電話帳が開くのだが、F-07F(2014年)だとアプリのアイコン一覧が出現するのだ。これはちょっと文章では説明しにくいのだけど……。

要するにこのホーム画面の下部に見えているアプリアイコンの続きが、画面をスクロールすることで表示されるというわけ。スマホでも縦にフリックでスクロールするタイプの機種があるが、あれと似た感じである。

「dマーケット」や「地図アプリ」、「電卓」や「バーコード」など、ベーシックなアプリがそろっている。じゃあさっきの「メニュー」もこちらに移動してアプリっぽくしてしまえばいいと思うのだけど、そこまで変えると既存ユーザーが混乱してしまうのかもしれない。ただ、メニューが二つあるというのは、やっぱりちょっとややこしい気がしないでもない。
●カメラ機能は?
続いてはカメラ機能へ。画素数は先ほどスペック表で見た通り、F706i(2008年)の200万画素に対してF-07F(2014年)は1310万画素と、圧倒的に進化している。正直、6年分の差を一番感じたのはこの部分かもしれない。

起動してみよう。

やはりインターフェースがそれほど変わっていないのは好印象。イメージセンサーの性能が上がっているためか、ライブビューの描画に関しては画面解像度以上の違いを感じる。

機能面では意外とF706i(2008年)も健闘していて、手ぶれ補正やナイトモード、パノラマ撮影といった豊富な機能が搭載されている。F-07F(2014年)はそれらを忠実に引き継ぎながら、基本性能をアップさせている印象だ。

使い勝手はそのままに、基本機能やインターフェースをより強化した「F-07F」。6年間スマホに浮気していたユーザーが出戻ったとしても、まるで実家のオカンのように「おかえり」と温かく迎えてくれそうな機種なのだった。

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